大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2210号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

手形の割引とは、通常、手形の所持人がその手形を他人に裏書讓渡し、その対価として手形金額中から満期に至るまでの利息その他の費用を控除した残額(割引金)を取得することをいうのであつて、手形という有価証劵の売買を目的とする行為にほかならないのである。そして、他人のために手形割引の周旋を為すものがその目的のために委託者から当該手形を受け取つた場合は、その委託の趣旨に従い、手形の割引を為すものに対し、該手形を交付して割引金を受領し、これを委託者に交付すべき義務があるのであるから、手形の割引を委託されて手形の交付を受けた割引周旋人が委託者の明示又は默示の許諾がないのにも拘らず、擅に該手形を自己の債務の弁済に充当する目的をもつて他に裏書交付するようなことは、手形所有者を排除してこれをその経済上の用法に従い処分するものであるから、かかる行為は直ちに横領罪を構成すべく、右処分当時周旋人において後日割引金に相当する金員を委託者に返還する意思があつたかどうかというようなことは、右横領罪の成否に何等の影響を及ぼすものではないというべきである。

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